ステレオタイプ化された年功賃金と終身雇用の制度

2012.01.09

日本型雇用システムはどのような「構造」から成り立っているのか。すでに指摘したように、それはある特定の諸制度から構成されている。このとき決まって持ち出されるのが、年功賃金であり終身雇用である。しかし、すでに多くの議論があるように、もしそれをステレオタイプ化されたものとして理解するのであれば、それは単純に不正確である。賃金そして昇進は年齢や勤続に応じて決まり、雇用は定年までの勤続が保障されている、もしこのような想定をするのなら、そのような制度自体が現実にあるわけでない。

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しかし、定着型から流動型の雇用システムへの転換、組織指向型から市場指向型の雇用システムへの転換といったことが提唱されるとき、暗黙に想定されているのは、ステレオタイプ化された終身雇用の制度であり年功賃金の制度である。それは日本型雇用システムを否定するための意図的な曲解かもしれない。しかし、曲解に基づく改革ほど危険なものはない。もちろん、日本型雇用システムの特徴が長期雇用にあることは間違いない。そしてその賃金が、年齢と共に段階的に上昇するカーブとして描かれることも周知のことだ。しかしその実際は、通説としての終身雇用や年功賃金とは大きく異なるものに変形されている。





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